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EPSの硬度(倍率・密度等)について詳しく教えて?

EPS(発泡ポリスチレン)の硬度は、その倍率(発泡倍率)や密度(密度は倍率に反比例)によって大きく変化します。
以下に、EPSの硬度に関わる主要な要素を説明します。

 

1. 発泡倍率と密度の関係
・発泡倍率:原料ポリスチレンの体積を何倍に発泡させたかを示す値。
 例:発泡倍率10倍 → 原料の10倍の体積に膨張。
・密度:材料の単位体積あたりの質量で、倍率に逆比例する。
 例:10倍発泡 → 密度 ≈ 0.1 g/cm³。
・発泡倍率が低い(密度が高い)場合:
 ・硬度が高くなる(圧縮強度が高い)。
 ・耐衝撃性や機械的強度が向上。
 ・用途:建材、断熱材、高強度の保護材。
・発泡倍率が高い(密度が低い)場合:
 ・硬度が低くなる(圧縮強度が低い)。
 ・軽量化や断熱性能が重視される場面で使用。
 ・用途:包装材、軽量充填材。

 

2. 硬度の評価指標
硬度や強度を測定する際には、以下の指標や試験方法が用いられます。
1)圧縮強度
  単位面積あたりの最大荷重(通常kPaまたはN/mm²で表記)。
  密度が高いほど圧縮強度が高くなります。
2)引張強度
  引っ張り荷重に対する耐性。
  通常は圧縮強度に比例。
3)硬度(表面)
  表面の耐摩耗性や押し込み硬度。

 

3. EPSの発泡倍率と硬度の目安
以下は一般的な発泡倍率と密度に対応する硬度の目安:

 

発泡倍率   密度(g/cm³)   圧縮強度(kPa)    主な用途
 10倍      0.1        約120~200      建材(断熱材、遮音材)
 20倍      0.05       約70~120       緩衝材、軽量充填材
 30倍      0.033       約40~70       梱包材(食品容器、家電保護)
 50倍      0.02        約20~40       緩衝材(軽量用途)

 

発泡倍率   密度(g/cm³)   圧縮強度(kPa)    主な用途
 10倍      0.1      約1000~1200     構造部材、ロボトレイ
 20倍      0.05      約400~800      構造部材、硬質容器
 30倍      0.033       約220~260      建材(断熱材、遮音材)
 50倍      0.02       約110~150      梱包材(食品容器、家電保護)
 60倍      0.017     約70〜120      緩衝材(軽量用途)、軽量充填材

 

4. その他の硬度に影響を与える要因
・加工方法:切断、成形、接着などの加工プロセスが硬度に影響。
・温度:EPSは温度による膨張収縮が発生し、高温では硬度が低下。
・添加物:難燃剤や強化材の添加により硬度が変化。

 

5. EPSの硬度を調整する方法
1)発泡倍率を制御:密度の調整により硬度を変更。
2)複合材化:他の材料と混合して強度や硬度を向上。
3)ポリスチレンの改質:高強度のポリスチレンを原料として使用。

 

EPSはその硬度を用途に応じて調整できる汎用性の高い材料です。